🩺 自宅患者モニタリングアプリによる患者報告結果データの取得
近年、がん治療における副作用(AEs)の自己報告は、患者の治療を個別化するための重要な情報源となっています。米国国立衛生研究所(NIH)が開発した「Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)」は、医療提供者が一貫して副作用を報告するための標準化された用語集です。しかし、患者がこの用語を使用する際には、適切な症状を選択し、その重症度を評価することに困難を感じることがあります。本記事では、患者が使いやすく、医療提供者にとっても臨床的に意味のある新しい用語の開発について紹介します。
🔍 研究概要
本研究は、がん患者のための自宅モニタリングアプリにおける副作用の報告に関する新しい用語を提案し、その実施と検証を行ったものです。具体的には、CAPABLE(Cancer Patients Better Life Experience)プロジェクトの一環として、患者と医療提供者の両方を巻き込んだ多段階の参加型アプローチを用いて、CTCAEを基にした新しい用語を開発しました。
🛠️ 方法
新しい用語の開発は、CTCAEに含まれる症状とサインの包括的なリストから始まりました。患者向けアプリに適した形にAEリストを縮小・適応させ、最終的に124のAEを含む新しい用語を作成しました。これには、49の症状が「存在するか、存在しないか」で表現され、残りの77は4つの記述レベルに関連付けられています。これにより、CAPABLEアプリに埋め込まれた意思決定支援システムを活用することが可能となります。
📊 主なポイント
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 最終的な用語の数 | 124 |
| 「存在するか、存在しないか」で表現された症状 | 49 |
| 4つの記述レベルに関連する症状 | 77 |
| 患者による独自のAE報告数 | 24 |
| 臨床ガイドラインに基づく推奨数 | 11 |
💭 考察
本研究の結果は、自己報告による副作用の新しい用語の必要性を支持しています。提案された用語は、使いやすさ、完全性、臨床的な意味を兼ね備えており、CTCAEとのマッピングにより、自己報告データを用いて臨床実践ガイドラインに一致した意思決定支援ルールを発動することが可能であることを示しました。
📝 実生活アドバイス
- がん治療中の方は、副作用の自己報告を積極的に行いましょう。
- モバイルアプリを活用して、症状を簡単に記録することができます。
- 医療提供者とのコミュニケーションを大切にし、報告した症状についてのフィードバックを受けましょう。
- 新しい用語を理解し、使用することで、より良い治療が受けられる可能性があります。
🔍 限界/課題
本研究にはいくつかの限界があります。例えば、参加した患者の数が限られており、結果を一般化するにはさらなる研究が必要です。また、自己報告の信頼性や正確性についても検討が必要です。今後の研究では、より多くの患者を対象にした大規模な試験が求められます。
まとめ
新しい用語の開発は、がん患者が副作用を自己報告する際の利便性を高め、医療提供者にとっても臨床的に意味のある情報を提供することが期待されます。今後、このアプローチが広がることで、患者の治療体験が向上することを願っています。
関連リンク集
参考文献
| 原題 | Obtaining Patient-Reported Outcome Data via a Home Patient Monitoring App: Development, Implementation, and Validation of Novel Interface Terminology. |
|---|---|
| 掲載誌(年) | JMIR Mhealth Uhealth (2025 Dec 11) |
| DOI | doi: 10.2196/65504 |
| PubMed URL | https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41380016/ |
| PMID | 41380016 |
書誌情報
| DOI | 10.2196/65504 |
|---|---|
| PMID | 41380016 |
| PubMed URL | https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41380016/ |
| 発行年 | 2025 |
| 著者名 | Sacchi Lucia, Lanzola Giordano, Quaglini Silvana, Veggiotti Nicole, Panzarasa Silvia, Tibollo Valentina, Terzaghi Matteo, Fraterman Itske, Glaser Savannah, Ottaviano Manuel, Khadakou Vadzim, Hisko Vitali, Peleg Mor, Wilgenhof Sofie, Mallo Henk, Kogan Alexandra, Glasspool David, Medlock Stephanie, Del Campo Laura, Gabetta Matteo, Rizzo Mimma, Locati Laura Deborah, Gabanelli Paola, Demurtas Sara, Premoli Andrea, Wilk Szymon |
| 著者所属 | Department of Electrical, Computer and Biomedical Engineering, University of Pavia, Via Ferrata 5, Pavia, 27100, Italy, +39 0382 985218. / Medical Informatics and Artificial Intelligence Laboratory (LIM-IA), IRCCS Istituti Clinici Maugeri, Pavia, Italy. / The Netherlands Cancer Institute, Amsterdam, The Netherlands. / Life Supporting Technologies, ETSI Telecomunicación, Universidad Politécnica de Madrid, Madrid, Spain. / Bitsens JSC, Vilnius, Lithuania. / Department of Information Systems, University of Haifa, Haifa, Israel. / Deontics Ltd, London, United Kingdom. / Amsterdam UMC - University of Amsterdam, Medical Informatics, Amsterdam, The Netherlands. / Associazione Italiana Malati di Cancro, Parenti e Amici (AIMAC), Roma, Italy. / Biomeris Srl, Pavia, Italy. / Medical Oncology Unit, Azienda Ospedaliera Universitaria Consorziale Policlinico di Bari, Bari, Italy. / Department of Internal Medicine and Medical Therapeutics, University of Pavia, Pavia, Italy. / Psychology Unit, IRCCS Istituti Clinici Maugeri, Pavia, Italy. / Medical Oncology Unit, IRCCS Istituti Clinici Maugeri, Pavia, Italy. / Institute of Computing Science, Poznan University of Technology, Poznan, Poland. |
| 雑誌名 | JMIR mHealth and uHealth |